食事について

食べるという行為は、生命の維持に欠くことのできないものです。
そして生物の種類によって肉食・雑食・草食というふうに食物の内容は異なります。
私達人間は雑食動物、犬や猫は肉食動物です。
ただし、犬は人間と暮らしてきた歴史が長いため、多種多様な食物を食べて生きてきたので雑食の性質もあります。
食事で大切なのは『栄養バランス』です。その動物に合った必須栄養素を 取れること、嗜好性が良く、 消化が良いことが求められます。

食事選び

ペットフード
ドライ・缶詰・半生などがあり、『総合栄養食』に分類されているものは、栄養・ 嗜好性・消化のよさの条件を満たした「バランスのとれた食事」です。
年齢に応じた製品もあり、飼い主の方は管理しやすいでしょう。
ただ、多量に与え過ぎるとカロリーオーバーになって肥満になったり、サプリメント(ビタミン剤など)の添加は過剰症を起こすこともあるので基本的には必要ありません。



手作りの食事
食材選びや調理法、カロリー計算と様々な知識が必要です。人間の食性とは異なる部分があるからです。
手間と時間も必要ですが、手作りの食事をおいしそうに食べる姿は見ることに飼い主の方は喜びを感じるでしょう。
ただ傷みやすいので、与える量は1回で食べきる量を準備して、置き餌の状態にしない管理が必要です。


当院では、栄養バランスを重視してペットフード(品質の良い物)をお薦めしています。
手作りの食事の場合でも、全体の半分以上はペットフードを使うことでバランスをとる方法をお薦めしています。
また動物病院には、『特別療法食』という特定の疾患に栄養面で対処するフードがあります。これは必要に応じて獣医師が処方いたします。

与えてはいけない食品

牛乳
犬や猫は乳糖を分解する酵素が少ないので、牛乳をうまく消化できずに下痢の原因となることがあります。



ネギ類
アリルプロピルジスルファイドという物質が犬や猫の赤血球を破壊するおそれがあります。
この物質は加熱しても壊れません。血尿・嘔吐・貧血などを起こします。



チョコレート
カカオに含まれる成分で中毒症状を起こします。
下痢・嘔吐・失禁・てんかんなどの症状が現れ危険です。



イカ・タコ
ビタミンB1欠乏症となる危険性があり、消化吸収もよくありません。



鶏や魚の骨
消化できずに食道や腸に刺さる危険性があります。



生の豚肉
消化が悪く、細菌感染を起こす危険性があります。



卵白

卵白中にはアビジンど呼ばれる物質が含まれておりビタミンB7であるビオチンと結合しやすいため卵白を大量に(かつ長期間)摂取した場合、ビオチンが欠乏する可能性があります。皮膚炎や脱毛などの症状が現れます。



生肉

細菌による食中毒や寄生虫を一緒に摂取する危険性があります。



揚げ物など脂っこい人の食べ物

特に犬は与えると多量に食べてしまう傾向があるので注意して下さい。膵炎などを起こします。特に急性膵炎では死亡する場合もあります。



キシリトール入りのお菓子(ガムなど)

低血糖による脱力・けいれん・昏睡などを起こします。



ブドウ、レーズン

急性の腎障害を起こし、最悪の場合死に至ります。



ナッツ類

カビの発生によりアフラトキシン(カビ毒の一種)が産生された場合、肝障害を起こします。



アボガド

犬や猫に有毒なペルセイトールが含まれていて、嘔吐や下痢を起こします。重症の場合は呼吸困難になることもあります。



アルコールの入った食品

呼吸困難や嘔吐を起こします。パンにも発酵によるアルコール成分が含まれているので注意が必要です。

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