猫の飼い主の方へ

猫の歴史・習慣

 

猫(イエネコ)の祖先は砂漠地帯に住むリビアヤマネコと云われています。ネズミなどの小動物を捕まえる肉食獣です。人類が農耕生活を始めた頃、穀物を蓄えた場所に寄ってくるネズミを駆除する目的で飼育されるようになりました。その後の歴史においてその役割に変化があまりなかったため、犬のように目的に応じた品種改良はおこなわれてきませんでした。

 

現在はペットとして生活する猫が多くなりましたが、肉食獣としての本能を持っていますので、狩りをする時間帯に活動が活発になることが多く、時間帯は薄明薄暮(早朝と夕暮れ時)です。木に登る習性も残っているので室内飼育でも上下運動が出来るスペースが必要です。縄張り意識がありますので複数で飼育する場合は一頭一頭が別々に過ごせるエリア(コアスペース)の確保に配慮が必要な動物です。(多頭飼育の場合、猫同士の相性にも配慮しなければなりません。)繁殖力が強いので飼う場合は去勢/避妊手術はおこなうようにして下さい。様々なトラブルに合わないように完全室内飼育が基本です。

 

予防できる猫の病気

猫ウィルス性鼻気管炎(伝染病)

原因はヘルペスウィルスで、初めはくしゃみ・鼻水・咳・発熱などの風邪症状です。長い場合は2〜3週間続きます。感染力は強く、他のウィルスとの混合感染も多いため、特に子猫や高齢猫の場合重篤化し、死亡する場合があります。

猫カリシウィルス感染症(伝染病)

初期症状はくしゃみ・鼻水・発熱など猫ウィルス性鼻気管炎に似ています。症状が進行すると舌や口の周囲に潰瘍ができることもあります。他のウィルスとの混合感染で合併症を引き起こすと死亡する場合があります。

猫汎白血球減少症(伝染病)

パルボウィルスが病原体で、危険な急性感染症です。子猫や若い猫の発症が多く、高熱・嘔吐・血様下痢・強い腹痛・急速な脱水症状がみられ高い死亡率を示します。妊娠猫が感染すると胎子へ影響します。

猫白血病ウィルス感染症(伝染病)

感染し陽性化すると完治する方法がない病気です。免疫機能の抑制・口内炎・貧血・リンパ腫の原因となり、症状は様々です。感染猫の血液や唾液の中には大量のウィルスが排泄されていて、尿や糞便中にも含まれます。一般的に感染猫との食器の共有やグルーミングによって感染します。胎子の場合は死産となる確率が高く、母子感染した子猫の場合は子猫の免疫力が打ち勝てば生後3ヶ月を過ぎた頃に陽性から陰性に転じることがあります。治療が難しい病気なので予防と感染の拡大を減らすことが重要です。

猫クラミジア感染症(伝染病)

おもに子猫が発症し、結膜炎と上部呼吸器症状がみられ、感染が持続することもあります。まれに一過性の発熱・食欲減退が起こります。猫同士の接触でうつり、まれに人への感染もおこる病気です。


予防できない猫の病気

猫免疫不全ウィルス感染症(感染症)

『猫エイズ』と言われている病気です。感染し陽性化すると完治する方法がない病気です。感染初期に発熱・下痢などを引き起こしますが、その後数年間は症状が現れないキャリア期に入ります。発症すると口内炎・鼻炎・皮膚炎といった症状がみられ、末期には弱い細菌でも感染症を起こしたり、悪性腫瘍が現れることもあります。感染猫の血液から他の猫にうつります。ワクチンでの予防が出来ないため他の猫とはエリアを分けて飼育することが望ましいです。

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