犬の飼い主の方へ

犬の歴史・習慣

 

犬はオオカミを祖先に持ち、群れで生活をしてきました。
家畜化された動物としては人類と一番長く暮らしてきた動物です。
その目的に応じて品種改良が行われた結果、世界的に多くの犬種が登録されています。繁殖に人の手が加えられたことにより、遺伝的に犬種によって発症しやすい病気もあります。
群れで暮らす動物なのでコミュニケーション能力に優れており、ヒトとの暮らしの中でも自分の役割(ポジション)を考えて行動しますので、家族に迎え入れてから様々なトラブルが起きないようにするにはきちんと『トレーニングする』(学習させる)ことが大切です。

 

予防できる犬の病気

犬フィラリア症(寄生虫)

蚊によってフィラリ(犬糸状虫)という寄生虫を媒介されることにより起きる病気です。フィラリアはハートワームと呼ばれ心臓に寄生します。初期は無症状ですが、予防していない場合寄生数が増えていき、心臓の機能、それ以外の臓器にも影響を及ぼします。毎年蚊の活動期間に合わせて予防薬を使用すれば100%予防出来ます。現在予防薬には錠剤、粉薬、チュアブル錠、スポット(滴下剤)、注射薬があります。

狂犬病(伝染病)

ほとんどの哺乳類に感染し、発症した場合致死率はほぼ100%という恐ろしい病気です。人にも感染し世界で年間4〜5万人が亡くなっています。日本では『狂犬病予防法』により犬の飼い主は、飼い犬の登録と年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。

犬ジステンパー(伝染病)

強い感染力があり、死亡率の高い伝染病です。高熱・目やに・鼻水・元気喪失・下痢・嘔吐などの症状、病気が進行すると脳炎をおこし、神経系が侵されます。助かっても後遺症が残ることの多い病気です。

犬パルボウィルス感染症(伝染病)

非常に伝染性が高く、子犬では死亡率の高い恐い病気です。感染犬の糞便にウィルスが排泄されます。ウィルスが非常に強く、一般的な環境で何ヶ月も生き残ります。下痢・血便・嘔吐などの腸炎型と、稀に子犬が突然死してしまう心筋炎型が
あります。

犬伝染性肝炎(伝染病)

子犬の場合、感染率・死亡率が高く、発病後数時間で死亡すること
があります。病気が治っても尿中に半年以上もウィルスが排泄されることがあるので注意が必要です。肝臓がおかされ、元気食欲がない・鼻水・下痢・嘔吐・扁桃腺の腫れなどの症状。回復期に瞳が
白く濁って見える(ブルーアイ)症状が見られることがあります。

犬アデノウィルス2型感染症(伝染病)

このウィルス単独感染での症状は咳などの軽いのですが、他のウィルスや細菌との混合感染で『ケンネルコフ』を引き起こします。

犬パラインフルエンザ感染症(伝染病)

咳・鼻水が主な症状です。『ケンネルコフ』の原因のひとつです。
『ケンネルコフ』とは咳・鼻水・気管支炎・肺炎などの症状が現れる呼吸器症候群のことでウィルスに他の細菌との混合感染が起こると症状が悪化して死亡することもある病気です。別名『百日咳』とも言われ、咳が長く続くことが多い病気です。

犬コロナウィルス感染症(伝染病)

成犬の場合は軽度の胃腸炎で済むケースが多いですが、犬パルボウィルスとの混合感染では重症化することもあります。子犬の場合は嘔吐と重度の水様性下痢を引き起こします。

犬レプトスピラ感染症(伝染病)

レプトスピラという細菌による病気です。ネズミなどの尿やその尿に汚染された水や土を介して感染します。いくつかの型があり、
*黄疸出血型は
黄疸・発熱・嘔吐・下痢・歯茎からの出血、尿毒症を起こして死亡する例が多くあります。
*カニコーラ型は
腎臓が侵され、発熱・嘔吐・下痢・脱水症状を起こします。急性腎不全を起こし死亡する例が多くあります。犬を含むほとんどの哺乳類に感染します。人にも感染する『人獣共通感染症』のひとつです。

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