飼い主さんがワンちゃんネコちゃんを動物病院に連れて行こうと思うのは食欲がない・元気がないなどの体調不良に気付かれた場合が多いと思います。でも食欲・元気だけが病気のサインとはかぎりりません。「うちの猫は10歳になってもとても元気で活発♪食欲旺盛♪」この状態ですぐに動物病院にとは思わないでしょう。ただ食欲旺盛で活発な8歳以上の猫ちゃんの場合『甲状腺機能亢進症』という病気の症状であることがあります。食べているにもかかわらず体重が減り、見た目にも瘦せてきていませんか?『甲状腺』はノドのあたりに左右1つずつある器官で、甲状腺ホルモンという物質を作っています。このホルモンは体温の調節(熱をつくる)、糖や脂質の代謝といった体のエネルギー消費に関係しています。甲状腺ホルモンの分泌が多くなりすぎるのが病気の原因です。ホルモンの量が多くなると体は常にエネルギーを使い続けることになります。例えるなら、休みたくても休めずひたすら走り続けている状態が体の中でおこっているということです。見た目は食欲元気があり病気らしくありませんが、この状態が続くと心臓などに負担がかかり危険です。診断するには血液検査で甲状腺ホルモンの量を測ります。治療は一般的にお薬でホルモンの分泌を抑えることによりコントロールします。猫ちゃんも8歳頃から定期検診をお勧めします。